ライセンス契約を図解で説明

近年CGで絵を作る事が多くなりました。CGに使用する素材を全て自分で作成するのはけっこう

大変だと思います。そこで便利なのが画像素材集やモデリングデータのDL販売です。

画像素材集は大抵の場合、商用利用であっても許可なく使用できます。画像素材集は販売会社など

がオリジナルの写真や画像を自社で作成しているため、自由に使用できる様にしているのだと思い

ます。

この場合オリジナル画像なので自由に使用できる訳ですが、どこかの企業や人物が作成したデザイ

ンや画像などの著作物を販売する場合、当然ですが許可を得ないと販売できません。

知的財産権があるデザインや画像を販売や商用で使用するのであれば、著作権者との間で契約を締

結する必要がある訳ですが、この契約を結んだ販売業者からデザインや画像を購入したユーザーが

商用使用する場合は著作権者との間で契約を結ばなければ商用使用はできません。

例えば著作権者と契約を締結した業者から購入した100人のユーザーが居たとします。100人

のユーザーと著作権者との間で契約がなければ著作権者は一軒分しか契約金がもらえず大損になっ

てしまいます。

こんな事言うまでもない話だとは思いますが、意外と解っていない人が多い様です。建築パースが

印刷された広告などに出て来る自動車画像(モデリングデータ)などは無許可の可能性が多い様に

思います。何故かと云うと、自動車メーカーと商用使用する業者の間で締結するライセンス契約は

年間50万円位(15年前の価格)+ロイヤリティーは仕事をする度に1台3~6%でした。これ

は自動車メーカー一社だけの話ですが、一枚の外観パースに出て来る自動車がすべ同じ自動車メー

カーであっても上記の金額が掛かります。一枚の外観パースに数台の自動車を入れたらロイヤリテ

ィーだけで売り上げ無くなるかも?(契約内容によりますが)

自動車メーカー数社とライセンス契約結んでいたら莫大な金額を毎年支払う事になります。

実物の自動車は立体物なので2次元画像やモデリングデータは関係ないと思う人も居るかと思いま

すが、甘いです!以前にも投稿しましたが立体商標権というのがあるのでドラえもん、キティー

ちゃん、ミッキーマウスも東京スカイツリーも勝手に使用出来ないのです。因みに商標権の有効期

限は10年間です。

これらの事を軽く見ていると大変な事になるかもしれません。民事もありますが刑事罰の場合、知

的財産権侵害(著作権、商標権、意匠権など)は個人法人ともに10年以下の懲役または個人は1

千万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金です。恐ろしいですね!

以前もブログに投稿しましたが東京スカイツリーのHPにある知的財産権使用に関する記述を読め

ば分かると思います。これは作成者のみならず使用する全ての人や企業に当て嵌まる事に成ります

法律は知らなかったでは済みません!

結局、自分で使うデータは金払うか、フリー素材を使うか、自分でオリジナルを作る以外無い様で

す。

エビデンスは内閣官房知的財産戦略推進事務局のHPで確認してください。

内閣官房知的財産推戦略進事務局
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