実在する自動車画像データを無断使用するのは法的なリスクがあるかも?
このブログで何度か書きましたが、建築パースに載せる実在する自動車の添景画像
は、自動車メーカーの許可を得ないと使用できない事が分かってきました。
【本田技研工業】の3DCGデータを配布するサイトには著作権侵害の恐れがあるので、個人的に楽しむ以外の使用を禁止しています。またフォトショップの【アドビシステムズ】のサイトには2005年以降の自動車は商用使用禁止と書いたあります。
これ以外にも3DCGデータの製造販売で有名なショップ【CG DATA BANK】の使用許諾には「購入者の同一組織、同一ロケーション内においてのみ使用可能」と明記されています。同一ロケーションとは社内でしか使えないという事でしょう。
以上の3社は民間企業であり自社基準を設けているだけなのかもしれない?と思い更に調査してみると、決定的な記事を発見しました。
【内閣官房、知的財産戦略推進事務局】のPDFに「知的財産で保護されていない場合の3Dデータの取り扱い」の中に「3Dデータのモデルやアイデアの提供者(A)と、3Dデータ制作者(B)の間の契約において、当該モデル等に基づく3Dデータの制作行為を、3Dデータ制作者に独占させる条項を盛り込むことが考えられる。 ただし、当該条項はAとBの関係において有効であり、第三者の3Dデータ複製や利活用に効力を及ぼすものではない。」とありました。つまり自動車メーカーと契約した者以外は使用禁止という事です。
10年以上前に建築パースに使用する添景の自動車画像は法的に問題ないのか、某自動車メーカーに問い合わせたところ、ライセンス契約を結ばなければ見つけ次第法的措置を取るとお聞きしました。以来当店ではオリジナルデザインの自動車を作成するようになったのです。
しかし本田技研やアドビの様に民間企業が自社基準で言っているだけなのかもしれない?と思い知的財産についてライフワークの様に調べてきましたが、この程やっと結論がでた気がします。
【参考サイト】本田技研工業
https://www.honda.co.jp/legal/?from=navi_footer
【参考サイト】アドビシステムズ
https://helpx.adobe.com/jp/stock/contributor/help/known-image-restrictions.html
【参考サイト】株式会社フューチャースイッチ「CG DATA BANK」
https://cgdatabank.com/general/kyodaku.php
【参考サイト】内閣官房、知的財産戦略推進事務局
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2016/jisedai_tizai/dai4/siryou1.pdf
もし告訴されたら刑事なら罰金、民事なら損害賠償請求に成り兼ねません。建築パースの知的財産には慎重さが必要です。
※因みに日産自動車のライセンス契約は当時、年間50万円+1販売でロイヤリィー3%~6%でした。
※以上が刑事事件かは不明ですが、例えば著作権法違反だった場合、法人で3億円以下の罰金だそうです。小さい会社なら即死です!