●手描きの建築パース
以前は製図版に平面図を貼り付けて、二点透視図法で作成した下図をキャンソンボードにトレースダウンし、筆とガッシュ(ポスターカラー)で建築パースと内装パースを作成していました。途中から下図のみCADソフトで作成するようになりましたが、仕上げは筆で行っていました。
建築家の安藤忠雄氏は「手を掛けないものは、人は感動しない」と言っています。
正に手描きの建築パースは人を感動させるに違いないと思います。
暖か味や躍動感では手描きパースは文句ないのですが、アングルの変更がほぼ不可能、大きな色の変更や修正も難しいうえ時間がかかる。
マキャベリというイタリアの政治思想家は「長所は必ず短所を伴う」と言ったらしいのですが、手描きパースは短所が大きすぎると思います。

●リアルCGパース
リアルCGパースを見た人がどう思うかは人それぞれですが、手描きパースを観た時の感動はなさそうな気がします。例えば街中にあるよくある建物のスナップ写真を見せられて感動する人がどれだけ居るでしょうか?よほどデザインが良いとか、ロケーションに映える建物ならともかくスナップ写真の様なリアルCGパースだと想像力をかき立てる余地が消える気がします。
そんな疑問から当店ではリアルなCG建築パースはあまり作成しなくなりました。
●手描き風CG建築パース
リアルCGパース同様アングル、素材、色の変更が容易に変更できますし、作成時間も手描きパースほどかかりません。筆で描いていた頃、パースの良し悪しは添景で決まると言われていました。
試行錯誤してリアルCGの建物に2DCGの手描きの添景を合わせると、絵に見える事を発見しました。
特徴あるアナログとデジタルの利点を活かしたCGパースの融合です。
ジャパネット高田の高田社長は「人は特徴を求めている」と言っています。ただリアルなだけではなく、記憶に残る個性的なパース作成を極めるべく修行しています。


