液状化現象は丘陵地帯でも起こる?
東日本大震災時に仙台の丘にある住宅街が丘の下で起きた液状化現象で斜面がずれたと聞きました。液状化で丘自体が崩れる危険性は高いですか?
はい、おっしゃる通り、東日本大震災では仙台市の丘陵部に広がる住宅地で、まさにそのような現象による甚大な被害が多数発生しました。
ご質問の「液状化で丘自体が崩れる危険性」についてですが、より正確に理解するために少し区別して考える必要があります。
結論から言うと、「自然のままの固い丘」が液状化で崩れる危険性は低いですが、「丘陵地を切り開いて造った造成地」が崩れる危険性は非常に高い場合があります。
仙台で起きたのは後者で、これは「滑動崩落(かつどうほうらく)」と呼ばれる特殊な災害です。
滑動崩落のメカニズム
この現象は、通常の崖崩れや低地の液状化とは少し異なります。
①造成地の構造
丘陵地に住宅街を造る際、谷を土で埋めて平らな土地(盛土:もりど)を造成します。このとき、元々の谷底の地盤(地山:じやま)と、その上に乗っている人工的な盛土との間に境界ができます。
②地震の揺れと盛土内部の液状化
強い地震の揺れが加わると、水を含んだ盛土(特に谷を埋めた部分)の内部で液状化現象が発生します。盛土の砂の粒子が水に浮いたような状態になり、土は強度を失ってしまいます。
③斜面全体の滑動と崩壊
液状化してドロドロになった盛土は、もはや斜面の形を保てません。そして、元々の谷底であった滑りやすい境界面の上を、巨大な土のかたまりとなってゆっくりと、しかし広範囲にわたって滑り落ちてしまいます。
つまり、「丘自体が液状化して崩れた」のではなく、「丘に造成した盛土が内部で液状化し、それが引き金となって斜面全体が滑り落ちた」というのが、仙台で起きた災害の正確な姿です。家を乗せたまま地面が数メートルから数十メートルもずれてしまうような、大規模な被害となりました。
危険性は高いのか?
この「滑動崩落」の危険性は、造成地の条件によって非常に高いと言えます。
●土地の形状: 谷を埋めて造られた面積が広く、勾配が急な造成地はリスクが高いです。
●盛土の質: 締固めが不十分な古い造成地や、水はけの悪い土で造られた造成地は危険性が増します。
●地下水位: 谷底だった場所はもともと水が集まりやすく、地下水位が高い傾向にあるため、盛土が水を含みやすく液状化しやすい状態にあります。
この教訓から、国は大規模な盛土造成地の位置をマップ化して公表するようになりました。お住まいの自治体でも「大規模盛土造成地マップ」といった名称でハザードマップが公開されている場合がありますので、一度確認されることを強くお勧めします。
はい、おっしゃる通り、東日本大震災では仙台市の丘陵部に広がる住宅地で、そのような「斜面がずれる」といった被害が多数発生しました。
この現象を理解するには、「丘自体が崩れる」というよりは、「丘の上に人工的に造られた住宅地(造成地)が、内部で液状化を起こして地すべりのように崩れる」と考えるのがより正確です。この特有の現象は「滑動崩落(かつどうほうらく)」と呼ばれています。
液状化で丘の造成地が崩れる「滑動崩落」のメカニズム
自然の丘(地山)そのものは、固い地盤でできているため、液状化で崩れることはほとんどありません。問題となるのは、その上に宅地を造るために行われた「盛土(もりど)」です。
①造成地の構造
丘陵地に住宅街を造る際、谷や沢だった部分を土で埋め立てて平らな土地(盛土)を造ります。このとき、元々の谷底の地盤(地山)と、その上に乗っている人工的な盛土との間に境界ができます。
②地震発生時の盛土内部での液状化
この盛土は、自然に固まった地盤に比べて、締め固めが不十分でゆるい場合があります。特に古い時代に造られた造成地ではその傾向が強いです。
このような盛土の内部に地下水が多く含まれていると、強い地震の揺れによって盛土の内部で液状化現象が発生します。土の粒子が支えを失い、泥水のような状態になります。
③斜面全体の滑動・崩落
盛土が内部で液状化してドロドロになると、盛土全体の重みを支えきれなくなります。そして、元々の谷底の斜面を滑り台のようにして、盛土全体がゆっくりと大きく滑り動いてしまうのです。これが「滑動崩落」です。
(模式図:平常時は安定しているが、地震時に盛土内部が液状化し、下の地山との境界を滑り面として崩れ落ちる様子)
結論:危険性は高いですか?
「液状化で丘の地山自体が崩れる危険性」は低いです。
しかし、「丘の造成地が、盛土内部の液状化によって滑動崩落を起こす危険性」は、土地の条件によっては非常に高いと言えます。
特に、以下のような造成地はリスクが高いと考えられています。
●谷を埋めた大きな盛土造成地
●1970年代以前など、古い基準で造られた造成地
●地下水位が高い、または水はけが悪い土地
この「滑動崩落」は、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震でも大きな被害を出したことから、国や自治体も問題視しています。現在では、各自治体が「大規模盛土造成地マップ」を作成・公表しており、自分の住む場所が該当するかどうかを確認できるようになっています。お住まいの地域のハザードマップと合わせて確認し、宅地の安全性を確かめることが重要です。
