経済成長すれば年金は破綻しない!?
年金が破綻するのではないかと言う人がいます。二人で一人を支えるのは無理がありますが、減税と財政支出で勤労者の手取りが二倍になれば四人で一人を支えられるのではないですか?
年金制度の持続可能性についてご心配されるお気持ち、よく分かります。特に「二人で一人を支える」という現状認識は、少子高齢化が進む日本において多くの人が抱く懸念です。
ご提案の「減税と財政支出で勤労者の手取りが二倍になれば四人で一人を支えられる」というアイデアは、非常に興味深く、その根底には「経済成長を通じて年金財源を確保する」という考え方があると感じます。
このアイデアについて、いくつか議論のポイントを挙げさせていただきます。
- 手取りが2倍になることの影響
●消費の拡大: 勤労者の手取りが2倍になれば、個人消費は間違いなく拡大し、景気は大きく上向く可能性があります。これにより企業の売上が増え、法人税収や所得税収が増加し、結果として年金財源にも良い影響を与える可能性があります。
●貯蓄・投資の増加: 手取りが増えれば、消費だけでなく貯蓄や投資に回る資金も増える可能性があります。これが企業への投資を促し、さらなる経済成長につながることも期待できます。
●少子化対策への寄与: 経済的なゆとりは、子育て世帯にとって大きな恩恵となり、出生率の向上にも寄与する可能性も考えられます。これは長期的に年金制度の支え手を増やすことにつながります。
- 財源と実現可能性
●減税と財政支出の財源: 勤労者の手取りを2倍にするほどの減税と財政支出を行うには、膨大な財源が必要です。これは国債の増発や、他の分野からの予算の振り分け、あるいは大胆な歳出削減などを伴うことになります。
●インフレのリスク: 急激な手取りの増加は、需要の急増を招き、インフレーションを引き起こす可能性があります。物価が上昇すれば、手取りが増えても実質的な購買力はそれほど上がらない、という事態も起こりえます。
●国際競争力への影響: 大規模な財政支出を伴う場合、国の財政健全性に対する懸念から、国際的な信用度が低下する可能性もゼロではありません。
- 年金制度改革の視点
●年金の給付水準: たとえ経済成長が進んだとしても、年金制度そのものの設計(給付水準、支給開始年齢など)をどうしていくかは、引き続き重要な議論となります。
●多様な働き方への対応: 働き方が多様化する中で、年金制度がそうした変化にどう対応していくか(例えば、フリーランスや非正規雇用者への対応)も、持続可能性を考える上で欠かせません。
●世代間の公平性: 経済成長の恩恵をどの世代がどのように享受し、年金負担をどう分かち合うのか、世代間の公平性の議論も重要です。
結論として
「減税と財政支出で勤労者の手取りが2倍になれば四人で一人を支えられる」というアイデアは、経済成長を通じて年金問題を解決しようとする前向きな視点を持っています。経済が成長すれば、年金財源の確保が容易になり、制度の持続可能性が高まることは間違いありません。
しかし、その実現には、膨大な財源の確保、インフレ抑制策、そして年金制度そのものの改革など、多くの課題をクリアする必要があります。また、経済成長だけですべての問題が解決するわけではなく、社会保障制度全体の設計や国民的な合意形成も不可欠です。
年金制度の将来については、様々な意見やシミュレーションがあり、政府も「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)などで議論を進めています。一つの有効な手段として、経済成長の追求は非常に重要ですが、それと同時に多角的な視点から制度改革を検討していく必要があると言えるでしょう。
