一級建築士が激減!

帝国データバンク調査では2022年4月~2023年3月の建設業倒産件数は1291件
との調査結果を公表しました。これは前年同期と比較して大幅に増加していま
す。最大の原因は資材の高騰と人手不足との事です。
資材の高騰は世界情勢の不安定化による石油、天然ガスなどの資源高に加え国
内における原発を止めている事が原因です。

人手不足を補う為に日本語があまり話せない外国人労働者を雇用した事が逆に
人手不足に拍車をかけている事がある様です。どういう事かというと、危険が
多い建設現場で言葉が通じないのは致命的な事故に繋がりかねません。そこで
日本人のベテラン職人が面倒をみる訳です。この事がだんだんと負担になり日
本人の職人が離職するという事が起きている様です。現場が止まります!

人手不足は建設会社だけではありません。日本の一級建築士が年々減っている
事実を御存知ですか?

2016年の一級建築士免許を持っている人数 ※端数切捨て
60代約20万人 50代約7万人 40代約6万人 30代約3万人 20代約5千人

20代、30代、40代、50代の4世代を足すと16万5千人なので60代よりも3万5千
人も少ない。恐らく60代の建築士が突出して多いのは既に引退した70代と80代
のリタイア組が含まれているのではないかと思います。それにしても20代が少
な過ぎです。5千人というと大雑把に47都道府県で割ると一つの自治体で平均
106人しか20代の建築士が居ない事になります。人口が都市部に集中している
事を考えると東京周辺や大阪周辺に偏る事になり、その他の地方には極端に若
手が居ない状況になっているのではと思います。このまま進むと日本の建築物
を支える建築士が将来消えてしまうかもしれません?

一級建築士は難易度の高い国家試験を突破したのに現実はかなり厳しい職業に
なっています。一級建築士試験の受験応募人数が集まらないので試験の内容を
多少簡単にしたそうですが受験者は増えていない様です。若者にとって魅力を
感じない職業になってしまったのかもしれません。難しい、仕事量や作業が多
い、責任が重い、給料が安い 特に若手は雑用的な仕事も多い。まるで四重苦
?図面を書くだけならテレワークも出来るでしょうけど、お客さんと打合せ、
役所と交渉、下請業者と打合せ、現場を監督、現場へ行かなければ仕事になら
ない。アウトソーシング(外注)を増やし負担を減らすか、出来るだけ給料を
高くし休日を増やせば若者も一級建築士を目指すかもしれません!? 

昔は自分の理想の建物を建てたいとか便利で安全な美しい街を作りたいという
夢をもって建築を目指した人が多かった様ですが、日本が続く限り建物や橋、
道路、港湾施設、鉄道、堤防などなど永久に必要な訳なので是非若者には一
級建築士を目指してもらいたいと思います。

建築技術は国力の指標の一つでもあるので海外に設計を依頼するなど有っては
ならないと思います。

『参考サイト』
ミカオ建築館でご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=buUWqfLiV7w

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